借金を滞納した場合に債権者はどう動く?
借金を滞納すると、貸金業者などの債権者が返済を求めて段階的に行動を起こします。その段階が進むほどに厳しい対応となり、債務者の状況が厳しくなることは避けられません。
債権者(借り入れ先)から連絡が来たら速やかに適切な対応を行い、滞納状態を放置しないことが何よりも重要です。どうしても対応が難しい場合は、債務整理を視野に入れる必要もあるでしょう。
以下では、債権者による3つの行動について段階別にご説明します。
1.借入先から督促の電話がかかってくる
借金を滞納すると、債権者から督促の電話がかかってきます。
通常は個人の携帯電話や自宅宛てですが、職場にかかってくる場合もあります。この時点で返済可能な方は、「いつまでに返済できるか」を相手に約束しましょう。その期日までにきちんと返済すれば、そこで解決します。
2.自宅に普通郵便で督促状が届く
電話による督促と同時期に、自宅に普通郵便で督促状が届きます。この時点で返済できる場合は、すぐに対応する必要があります。電話での督促が来た場合と同じく返済期日を伝え、期日までにお金を払いましょう。
そのまま放置すると次の段階に入り、債権者の対応も厳しくなります。
3.支払いが確認されるまでクレジットカードやローンが利用停止になる
借金の支払いを延滞すると、利用している最中のクレジットカードやローンが利用できなくなります。
ただし、そこで債権者に相談すれば支払い延期に応じてもらえるケースもあります。その場合は、借り入れ先が「滞納した借金+遅延損害金」の支払いを確認した3~5日後に利用再開となるケースが多いようです。
遅延損害金(延滞利息)については、後ほど詳しくご説明します。
【借金を滞納したら可能な限り身内に協力してもらおう】借金の督促を無視して滞納を続けていると、最終的に債権者から裁判を起こされ、財産などの差し押さえに発展する恐れがあります。特に連帯保証人がいる場合は、その方にも多大な迷惑をかけることを認識しておかなければなりません。
そうした状況を防ぐためにも、滞納状態になったら1日も早く頼れる相手に相談し、可能な限り協力してもらいましょう。金額によっては身内の誰かに一時的に借金を肩代わりしてもらい、後日その人に返済していくのも一つの手です。
4.内容証明郵便で一括返済の督促状が届く
電話や郵便による督促を無視していると、今度は内容証明郵便などで一括請求を要求する督促状が届きます。このとき、滞納額に遅延損害金(延滞利息)が加算された状態で請求されます。
5.個人信用情報機関の事故情報に載る
滞納が続くと、クレジットカード会社や消費者金融会社が加盟する個人信用情報機関にその事実が金融事故情報(異動情報)として登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態となります。通常、事故情報が登録されるのは滞納状態が始まってから2~3か月後です。
信用情報機関には「CIC」「JICC」「KSC」の3社があります。銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの金融業者はそのいずれかに加盟して顧客情報を共有しています。
つまり、滞納によって登録された事故情報は、すべての金融業者が把握しているということ。滞納した貸金業者とは無関係のクレジットカードやローン契約も利用停止となり、新規のクレジットカード作成やローン契約、携帯電話の分割払いなどもできなくなります。
6.訴状や支払い督促が届き、差し押さえなどの法的措置に移行する
事故情報が登録される段階になっても滞納状態が解消されない場合、借り入れ先から裁判所への申し立てが行われます。そしてそれにより、裁判所から債務者宛てに「訴状」または「支払督促」が届きます。
届いたのが訴状の場合は、裁判所に出頭しなければなりません。支払督促の場合は督促異議申立てを行い、分割払いなどを申し出て相手方と和解する必要があります。